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ルドルフ・シュタイナーと意識の進化(4)

ルドルフ・シュタイナーといえば世間的に最も知られているのはシュタイナー教育であろう。

 シュタイナー教育は、現代の学校教育に対するアンチテーゼのような形で受けとめられているように思われる。

 従来の学校は唯物主義・テクノロジー至上主義の洗脳機関となってしまっており、霊的なことを認めない。

 そこでは競争と差別が無意識に刷り込まれ、効率重視で非個性的な機械のような人間を作り出そうとしている、という問題意識がシュタイナー教育の発想の原点であろう。

 シュタイナーはあらゆる社会問題の中で最も重要なのが教育の問題であると考えていた。

 そして人間を霊的に進化させる準備のため、オイリュトミー、フォルメン線描、水彩画や演劇をつかった独特な芸術教育などさまざまな斬新な方法を教育に取り入れた。

 その教育プログラムのバックグラウンドには、無論シュタイナーの霊学・哲学・宇宙進化論がある。

 シュタイナー教育の評価は、毀誉褒貶の落差が大変大きい。理想的教育として絶賛する人もいれば、危険なカルトによる教育であると糾弾する人もいる。

 インターネットでシュタイナー教育に対する批判を検索してみると、世界中でかなり痛烈にそのカルト的体質を糾弾されていることがわかる。

 シュタイナー教育には一般に進歩的で理想主義的なイメージがあるようだが、実際に学校に入れてみると理解不能なオカルト的教義を吹き込まれているのでないかという疑いが噴出してくるのである。

 これまでに述べたように、シュタイナーの教義には一般常識からかけはなれた特殊な内容が沢山述べられている。本を読んだ人は、よくぞここまでとんでもないことが次々に出てくるものだと驚くのが普通の感覚だろう。

 実際シュタイナーの主張していることのとんでもなさは、オウム真理教の麻原彰晃の言っていたことのとんでもなさとレベルにおいてそんなに違いはない。

 ここで少し脱線するが、そもそも霊的なことというのは簡単に評価できるものでなく、深く知れば知るほど単純な決めつけができなくなってくる性質のものだと筆者は考えている。

 麻原彰晃だって卑怯なペテン師で凶悪犯罪者であるという歴史的評価が決定してしまったように見えるが、本当に深い悟りを得た人物だという可能性だってあるのである。それは命をかけるほどその人間と向き合って初めてわかることなのである。

 それだけ霊的真実というものは多層的で深いものであり、人間というのは複雑な存在であるということだ。

 シュタイナーの思想内容が社会通念からかけ離れているだけでなく、人種差別的であることも大問題となっている。そこには明らかにアーリア人種の優越が説かれており、有色人種を劣等とみる傾向がある。
 
 シュタイナーの信奉者にとっては、そういう人種差別的主張もなんらかの仕方で博愛主義的・平等主義的な考え方となんとか心の中で調和させているのであろう(そうでなければ人種差別主義者であることを認めることになってしまう)。

 しかしシュタイナー学校に子どもを入学させた保護者は必ずしもシュタイナーの信奉者ではないし、教義の詳しいことを知らないことの方が多い。

 そうするとシュタイナーという思想家・オカルト学者がそもそもとんでもない教義で子どもたちを洗脳するカルト教団の創始者のように疑われだすのである。

 シュタイナーはさまざまのスピリチュアルなアイデアを、秘儀参入によって霊界から直接受け取ったと主張している。

 しかしそのような主張は普通の感覚の人からみれば、精神病であるか詐欺であるかのどちらかとしか思えないであろう(実際そのように糾弾した人の文章がネットにあった)。

 しかもシュタイナー学校のスタッフは、いかなる思想に基づいて教育を行っているかあまり説明しないようである(シュタイナー自身があまり説明しないように指導していたらしい)。

 シュタイナー学校の先生は当然シュタイナーの人智学にかぶれている人が多く、神秘学や秘儀など一般人の知らない特別なことを知っているという優越感を持った態度を取ってしまいがちになる(それは前回述べたルツィフェルの誘惑だ)。そういった態度がまた保護者とのトラブルのもとになる。

 このようにしてシュタイナー学校の多いドイツ、アメリカを始め、世界中で物議を醸しているという状態である。

 シュタイナー学校のカルト的体質を問題視する保護者の気持ちは理解できる。

 進歩的で博愛主義的な教育を行っているという評判だから子どもを入学させたら、どうも危険なカルト的教育を行っているらしいとわかったら誰でも慌てるだろう。

 大人になってから自分の判断でそういう教義を受け入れるならまだいいが、子どもの白紙の心の状態にそうしたものを刷り込むことは耐えられないという親の感覚はよく理解できるのである。

 一方で、宗教とか神秘学というのは危うさといかがわしさをもともと内包しているのだ、とも思うのである。

 イエス・キリストが現代に現れて聖書に書かれているようなことを主張しだしたら、カルト教団の教祖か精神病者、あるいはペテン師として扱われるに違いないのである。

 彼は「天国に行きたいのであれば自分が持っている物を売り払って、教団と困っている人に全部与えてしまえ」と言ったのであって、現代であれば信者の財産を不当に失うような教唆を行ったとして裁判沙汰になってもおかしくない。

 すなわち、この世のルールと霊的な事柄というのは相当矛盾しているのであり、だからこそ霊的な行い、たとえばマザー・テレサとかガンジーの行ったことは特別な尊敬を受けるのである。

 筆者はシュタイナー教育を壮大な社会実験と考えている。実験であるから、成功することもあれば失敗することもあるのは仕方がないのではなかろうか。教育に失敗は絶対許されないと考える人もいるだろうが、そもそも現代の教育システムは破綻しており、なんらかの新しいモデルを必要としている緊急事態ともいえる状態なのだ。

 社会常識からみてある意味とても奇妙なアイデアを現実社会で実現したルドルフ・シュタイナーという人は、やはり只者ではないように筆者は感じるのである。
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プロフィール

アートセラピスト 郡浜 浩

Author:アートセラピスト 郡浜 浩
 アートセラピストをやっている郡浜浩(コオリハマヒロシ)と申します。

 アートによる人と人の出会いと心の交流の場の創造をライフワークと考えており、その実現のためワークショップ・個人セッションを行うキャリアアート研究所を主宰しています。

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キャリアアート研究所

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創造性発揮を強力サポート! ~クリエイティブ・コネクション~



 出身は北海道の当麻町という田舎町で、自然の中で素朴な少年時代を過ごしました。大学卒業後は東京のお堅い政府機関でしばらくサラリーマンをやっていました。

 二十代の後半に人生を大きく変えることがありました。ゲシュタルトセラピーのリッキーさんの「喜びの創造セミナー」というアートセラピーのワークショップを受けたことです。いたく感銘を受け、「こういうことを一生やっていきたい」と思いました。

 それで語学やら貯金やら準備を進めて、三十代の半ばに意を決してサラリーマンをやめ、サンフランシスコにあるCIIS(カリフォルニア統合研究所)という大学院に留学し、表現アートセラピーという技法を学びました。

 4年間アメリカにいて、帰国後は精神科クリニックに勤めたりスクールカウンセラーをやりながらワークショップ開催などを行っていましたが、2010年に奈良に引っ越し、本格的にワークショップを展開すべくキャリアアート研究所を設立しました。

 一方で、CIISという学校がトランスパーソナル心理学の中心地で、その縁などからアメリカでシャーマニズムや少数民族の伝統文化の流れと出会いました。その流れを探求してきて、2010年10月には霧島で開催されたグランドマザー会議(先住民族のシャーマンのおばあちゃん達が地球の危機を克服するために集まったもの)に参加しました。

 アートセラピーとシャーマニズムって、深いところで繋がっていると実感しています。両方とも現代社会では周辺的な位置づけにあって、そんなに重視されていないかもしれませんが、私はこれからの世界的な危機を人類が生き抜いていく核心的な知恵がそこにあると思います。

 とまあ堅い話はそのくらいにしまして、私の趣味ですが、おいしいものを食べたり本を読んだりすることが好きです。あとお笑いとかたまにビデオを見たりとか、そんな感じです。
 
 どうぞよろしくお願いいたします。

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