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ルドルフ・シュタイナーと意識の進化(3)

 ルドルフ・シュタイナーは神秘学者であり、神秘学は英語にするとオカルト・サイエンスということになるから、シュタイナーはオカルティストなのである。

 日本ではオカルトという言葉には相当否定的なニュアンスが付随していて、「怪しげで危ない」ものをオカルトという傾向が強い。

 筆者の記憶では、ホラー映画の「エクソシスト」が封切りされて空前の大ヒットとなったときにオカルト映画という言葉が使われ始めた。

 けれども英語のoccultという言葉は「知ることのできない、神秘的な、超自然的な」という意味で、日本での用法ほどネガティブなニュアンスは込められていない。

 とはいえシュタイナーの言っていることは、一般の人が聞けば相当に怪しげで危ないという印象を持つであろう。

 シュタイナーのカルマ論はその代表的なものの一つで、どういう人が次の人生で誰々になったという類の確認・証明不能の話が沢山出てくる。

 前世が見えると称する人は日本でも沢山いるが、「私はそれを霊視したのだ」と言われてしまえば、あとはその人を信ずるかどうかだけで、自分にもそういう能力がない限り事実かどうか知りようもない。

 シュタイナーは怪しげな話をそれこそ山のようにした人だったが、現実社会で偉大(と言っていいだろう)な功績を残し、とてつもない知性の鋭さと莫大な知識を有し、優れた弟子を沢山育てたから一応まともな人物の範囲に入ると考えられていると思われるのである(かなり際どい位置にあるが)。

 誰が誰に輪廻転生したという話の真偽はともかく、シュタイナーにとってカルマ論は決定的に重要な位置を占めていた。

 人間が輪廻転生するかどうかを理性で確認することはできない。しかし輪廻転生がないとすると、それはとても不合理であるとシュタイナーは考える。

 たとえばある者は百歳まで生きるし、ある者は生まれてすぐ死ぬ。もし人生が天国からやってきて天国へ帰っていく一回かぎりのものだとするなら、こんな不公平なことはない。

 また、もし誰かが他の人に何か悪事を働いたとして、あるいは助けてあげたとして、それが死んでしまえばすべて無になってしまうというのは考えられないことだという。

 シュタイナーによると、人間は死んだあとに自分の人生のすべての行いを明瞭に思い出すのだという。

 そして誰かに迷惑をかけたり、恩義を受けたりしたならそのカルマを清算したいと魂は望むのである。

 この世界で作ったカルマはこの世界でしか解消できない、というのがカルマの法則である。

 人間がこの世界に再び帰ってくるのは、そのようなこれまでのカルマを清算しようという強い衝動が働くためである。

 たとえば、とても自分に辛く当たる親のもとに生まれてくる子どもがいる。その親と子は前世におけるカルマを解消するために、現在そのような境遇に置かれていると考えるのである。

 仏教、神道、西洋のスピリチュアリズムなどさまざまな宗教で同様の考え方がなされている。

 シュタイナーのカルマ論がこうした中でもユニークだと思うのは、こうしたさまざまなカルマとの出会いを自己教育としてシュタイナーが捉えていることである。

 すべての人は、自分が生まれ育ってきた環境を自分なりに納得をすることが必要である、というのがシュタイナーの考える自己教育の出発点である。
 
 何らかの理由でもって、自分はある時代のある国の中で、ある家族環境のもとに生まれてきた。そうした自分の境遇を受け入れるためには、どうしてもカルマの考え方が必要だとシュタイナーは言う。

 それがもし何の意味もない偶然や神の恣意的な決定でなされたなら、たとえば自己の肢体が不自由であったり、親が小さい頃に亡くなってしまうような運命を受け入れることは難しくなってしまう。

 一回限りの人生ではなく、清算を求める過去からのカルマがあり、これから数知れ何回もの人生が続いていく中での意識進化のプロセスとして捉えてこそ、苦難の中にも人間は意味を見いだしていけるのである。

 このような霊的な事柄は、科学的な証明ができない。けれどわれわれの中には、こうした霊的なことを理解できる器官のようなものがあるのだとシュタイナーは言う。

 そして霊的教えを心の中に受けとめたなら、その霊的知識が無意識の中で成長し、われわれを霊的進化に導いてくれるのである。

 こうした話はある種の精神的状態で受けとめられる必要がある。それは論争的・批判的態度ではなく、そういう思考の暴走状態を鎮めて、畏敬の念を持たねばハートに入ってこないのである。
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プロフィール

アートセラピスト 郡浜 浩

Author:アートセラピスト 郡浜 浩
 アートセラピストをやっている郡浜浩(コオリハマヒロシ)と申します。

 アートによる人と人の出会いと心の交流の場の創造をライフワークと考えており、その実現のためワークショップ・個人セッションを行うキャリアアート研究所を主宰しています。

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キャリアアート研究所

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創造性発揮を強力サポート! ~クリエイティブ・コネクション~



 出身は北海道の当麻町という田舎町で、自然の中で素朴な少年時代を過ごしました。大学卒業後は東京のお堅い政府機関でしばらくサラリーマンをやっていました。

 二十代の後半に人生を大きく変えることがありました。ゲシュタルトセラピーのリッキーさんの「喜びの創造セミナー」というアートセラピーのワークショップを受けたことです。いたく感銘を受け、「こういうことを一生やっていきたい」と思いました。

 それで語学やら貯金やら準備を進めて、三十代の半ばに意を決してサラリーマンをやめ、サンフランシスコにあるCIIS(カリフォルニア統合研究所)という大学院に留学し、表現アートセラピーという技法を学びました。

 4年間アメリカにいて、帰国後は精神科クリニックに勤めたりスクールカウンセラーをやりながらワークショップ開催などを行っていましたが、2010年に奈良に引っ越し、本格的にワークショップを展開すべくキャリアアート研究所を設立しました。

 一方で、CIISという学校がトランスパーソナル心理学の中心地で、その縁などからアメリカでシャーマニズムや少数民族の伝統文化の流れと出会いました。その流れを探求してきて、2010年10月には霧島で開催されたグランドマザー会議(先住民族のシャーマンのおばあちゃん達が地球の危機を克服するために集まったもの)に参加しました。

 アートセラピーとシャーマニズムって、深いところで繋がっていると実感しています。両方とも現代社会では周辺的な位置づけにあって、そんなに重視されていないかもしれませんが、私はこれからの世界的な危機を人類が生き抜いていく核心的な知恵がそこにあると思います。

 とまあ堅い話はそのくらいにしまして、私の趣味ですが、おいしいものを食べたり本を読んだりすることが好きです。あとお笑いとかたまにビデオを見たりとか、そんな感じです。
 
 どうぞよろしくお願いいたします。

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