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ルドルフ・シュタイナーと意識の進化(1)

 人類の意識が進化していることは、神秘学やスピリチュアリティを研究する者には当然の前提となっていると思われる。

 どういう方向に進化しているかというと、神の能力を身につけられる方向へ、すなわち神へ向かって進化しているのである。

 これは宗教の方からみると異端的な考え方かもしれない。「神と人間の間には越えられない深淵がある」というのが伝統的なキリスト教の神学であったようだし、中世に上記のようなことを口にすれば宗教裁判で断罪されただろう。

 宗教というのはどうかすると抑圧の道具となってしまう傾向を有し、ことにそれはキリスト教に顕著であると思われる。

 教会のみが神との媒介となり、一般の人は神の奴隷となるという構造が俗世での支配構造として機能していたのだ。

 神秘学というのはこうした宗教とは一線を画し、人間がある種の秘密を発見し探求することによって高次の存在に進化していくという立場である。

 こうした思想は歴史的には秘密結社という形をとったり、異端として糾弾されてきたりしたのである。

 原始キリスト教がローマの国教となるプロセスで、グノーシス派と呼ばれる人たちやグループが異端として排斥されることになった。

 グノーシス派の人たちは、特別な知識・技術を身につけることによって、イエス・キリストと同じようにわれわれ人間は進化していける存在であると考えた。

 支配者にとっては、そういう考え方は都合の悪いものであった。神にアクセスする特権は教会が独占したかったのである。そのためにグノーシス的な考え方は徹底的に弾圧されたのである。

 したがってグノーシスの流れを汲む人たちは、密教的・秘密結社的にその知識・伝統を伝えていったのである。

 ルドルフ・シュタイナーは自分がこうした流れ、とくに薔薇十字会の後継であることを主張していた。

 シュタイナーは若いころ科学、哲学、芸術などを徹底的に学び、最初はゲーテ学者として言論界に登場した。

 その後マダム・ブラヴァッキーの創始した神智学協会に参加し、ドイツ支部の書記長を務めるまでになる。

 当時は神智学がブームではあったようだが、相当胡散臭いものと思われていたようで、シュタイナーはゲーテ学者としてまっとうな学者とみなされていたから、神智学協会への転身は怪しげなカルトに入ってしまったようにみなされたことだろう。

 しかし神智学協会がクリシュナムルティ少年を後継者と決めたことに反発し、結局自らの思想に基づく人智学協会を創始したのである。

 シュタイナーは諸芸百般に通じた超人的人物で、神秘学・哲学・芸術は言うに及ばず、教育・農業・医学・療育・建築・金融・政治などありとあらゆることに取り組み、驚異的な成果を上げたといえるだろう。

 シュタイナーの書いたものを読んだことのある人ならご存知と思うが、根拠不明の怪しげで、しかもとてつもなく難解な話が延々と続いていく。

 シュタイナーについての評伝を書いたコリン・ウィルソンは、主著と目される「神秘学概論」を読みながら「こんな本を読むことは人生の無駄ではないか」と感じたそうである。

 まともな人であればそう思って当然という感じの、難解で意味不明な本ばかりなのである。

 それでも筆者がシュタイナーに惹かれたのは、高橋巌先生という偉大な人智学者に直接教えていただいたからであり、また実際に巨大な功績をシュタイナーが現実社会で残したからである。

 難解なことを言った学者は歴史上数えきれないほどいるが、シュタイナーのように現実的に役立つことを沢山教えてくれた人はそんなにいない。

 日本でいえば弘法大師がそのイメージに近いのではないかと思われる。

 ただシュタイナーは人種や歴史の問題などでかなり刺激的な発言をいろいろしており、それが原因で差別主義者というような批判をする人もいるようである。

 けれどシュタイナーの思想はなかなか一筋縄ではいかなくて、評価するのがおそらく最も難しいものの一つだろう。

 なにしろシュタイナーの言わんとするところをきちんと理解することが、まず至難の業なのだ。

 筆者も本を読んでいただけなら、シュタイナー思想の革新性を理解することは決してなかっただろう。

 高橋巌先生には深く感謝する次第である(筆者のシュタイナー理解に間違いがあるなら、その責はすべて筆者にある)。

 シュタイナーにとって、人類の意識進化は最大のテーマの一つなので、次回以降述べていく。
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プロフィール

アートセラピスト 郡浜 浩

Author:アートセラピスト 郡浜 浩
 アートセラピストをやっている郡浜浩(コオリハマヒロシ)と申します。

 アートによる人と人の出会いと心の交流の場の創造をライフワークと考えており、その実現のためワークショップ・個人セッションを行うキャリアアート研究所を主宰しています。

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キャリアアート研究所

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創造性発揮を強力サポート! ~クリエイティブ・コネクション~



 出身は北海道の当麻町という田舎町で、自然の中で素朴な少年時代を過ごしました。大学卒業後は東京のお堅い政府機関でしばらくサラリーマンをやっていました。

 二十代の後半に人生を大きく変えることがありました。ゲシュタルトセラピーのリッキーさんの「喜びの創造セミナー」というアートセラピーのワークショップを受けたことです。いたく感銘を受け、「こういうことを一生やっていきたい」と思いました。

 それで語学やら貯金やら準備を進めて、三十代の半ばに意を決してサラリーマンをやめ、サンフランシスコにあるCIIS(カリフォルニア統合研究所)という大学院に留学し、表現アートセラピーという技法を学びました。

 4年間アメリカにいて、帰国後は精神科クリニックに勤めたりスクールカウンセラーをやりながらワークショップ開催などを行っていましたが、2010年に奈良に引っ越し、本格的にワークショップを展開すべくキャリアアート研究所を設立しました。

 一方で、CIISという学校がトランスパーソナル心理学の中心地で、その縁などからアメリカでシャーマニズムや少数民族の伝統文化の流れと出会いました。その流れを探求してきて、2010年10月には霧島で開催されたグランドマザー会議(先住民族のシャーマンのおばあちゃん達が地球の危機を克服するために集まったもの)に参加しました。

 アートセラピーとシャーマニズムって、深いところで繋がっていると実感しています。両方とも現代社会では周辺的な位置づけにあって、そんなに重視されていないかもしれませんが、私はこれからの世界的な危機を人類が生き抜いていく核心的な知恵がそこにあると思います。

 とまあ堅い話はそのくらいにしまして、私の趣味ですが、おいしいものを食べたり本を読んだりすることが好きです。あとお笑いとかたまにビデオを見たりとか、そんな感じです。
 
 どうぞよろしくお願いいたします。

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