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ローリングサンダーのメッセージ(2)

 ローリング・サンダー(ダグ・ボイド著、平河出版社)から引用する。

(ここから引用)
 やがてローリング・サンダーが話しはじめた。羽飾りのついた古い帽子をかぶったまま彼はキャンパス製のディレクターズ・チェアーに深々と腰を沈めていた。

 焚火の火がちらちらと燃えて、光が彼の顔の上で踊った。この夜のローリング・サンダーの話は、時と場所を超えて存在していた、あるいは存在している、いわゆる伝統的な教師のものであった。彼は、われわれ白人たちだけが、どうやらこれまで逃し続けてきたことを語って聞かせた。

 そしてこれこそが、彼のメッセージの主要な点でもあった。人間の内なる自然は、宇宙そのものの自然と一体であること。そしてそれゆえに人間は、母なる自然そのものから自らの自然について学ぶこと。

  現代の西欧型社会が突き進んでいるテクノロジーと物質万能主義の道は、人間がこれまでに選択してきた道の中でも最も不自然な生き方であること。

 その社会で生きる人間たちは、木々や鳥たち、昆虫たちや動物たち、そして成長しつつある植物たちや天気といったものから、遠くに隔離された存在であること。

 それゆえに彼らは、自らの内なる自然ともほとんど接触をもたないこと。現代人の心には不自然なことこそが当たり前であるから、自然が奇妙なものに思えて、なかなかこれと直面できなくても少しも驚くには値しないこと――。
(引用ここまで)

 なぜだかわれわれ人類は、自然のコースから外れて物質主義・唯物主義の極端でグロテスクな袋小路にはまり込んでしまったようだ。

 自分の外の人や物を支配してそこから搾取しようという態度(これが物質主義・唯物主義だ)は、ヨーロッパの白人社会から始まった。
 
 もちろんそれ以前の社会や先住民の社会が理想郷だったというわけではないだろう。そこには人間固有の苦しみや社会の矛盾がそれなりに当然あったに違いない。

 けれどもその白人起源で始まった物質万能主義に極端なまでに汚染された現代文明は、ローリング・サンダーが語った「人間の内なる自然は、宇宙そのものの自然と一体であること」という認識からあまりに遠い。

 自然を、そして他者を苦しめることは結局自分を苦しめることである。他者から搾取することは自分の心を失ってしまうことなのだ。

 福島第1原発事故は、こうした現代文明の抱える矛盾がとんでもなく明確な形で現出したものといえるだろう。

 ただ筆者は世界全体が物質万能主義に汚染されている状態を、どうしようもない脇道に入ってしまったのだからこのまま滅亡してしまうという風には思わない。
 
 今の世界の状況は、人間がテクノロジーの極致を一度は体験したいという願望を持っていたことの結果であり、それはまた必然のプロセスでもあったのである。

 人間は神の子であるから、本来無限の創造力を秘めた存在である。その無意識の中にある創造力のイメージを、この物質社会の中で体験したかったからテクノロジーを発達させたのである。

 何か新品で最新式の電気製品を買ったなら、大抵の人は大きな満足感をおぼえるだろう。それは大袈裟にいえば、神であることの満足感を(ほんの少しではあるが)体験しているのだ。

 核兵器だって、作った人たちは大変満足していたようである。それは神の全能さを部分的に感じていたからだ。それで、作ってみたらやっぱり使ってみたくなったということであろう。

 人間は何かの可能性を見つけたら、そしてそれがなんらかの利益を自分にもたらすと感じたら、徹底的に追及しようとする傾向がある。原発が典型的で、安全性にまったく保証がないことは専門家はみんな知っていたのに、盲目的に技術開発と設置を進めてしまったのだ。

 しかしこういったこともまた、人類の意識進化のグランドデザインの中に含まれているのだと思うのである。
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プロフィール

アートセラピスト 郡浜 浩

Author:アートセラピスト 郡浜 浩
 アートセラピストをやっている郡浜浩(コオリハマヒロシ)と申します。

 アートによる人と人の出会いと心の交流の場の創造をライフワークと考えており、その実現のためワークショップ・個人セッションを行うキャリアアート研究所を主宰しています。

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キャリアアート研究所

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創造性発揮を強力サポート! ~クリエイティブ・コネクション~



 出身は北海道の当麻町という田舎町で、自然の中で素朴な少年時代を過ごしました。大学卒業後は東京のお堅い政府機関でしばらくサラリーマンをやっていました。

 二十代の後半に人生を大きく変えることがありました。ゲシュタルトセラピーのリッキーさんの「喜びの創造セミナー」というアートセラピーのワークショップを受けたことです。いたく感銘を受け、「こういうことを一生やっていきたい」と思いました。

 それで語学やら貯金やら準備を進めて、三十代の半ばに意を決してサラリーマンをやめ、サンフランシスコにあるCIIS(カリフォルニア統合研究所)という大学院に留学し、表現アートセラピーという技法を学びました。

 4年間アメリカにいて、帰国後は精神科クリニックに勤めたりスクールカウンセラーをやりながらワークショップ開催などを行っていましたが、2010年に奈良に引っ越し、本格的にワークショップを展開すべくキャリアアート研究所を設立しました。

 一方で、CIISという学校がトランスパーソナル心理学の中心地で、その縁などからアメリカでシャーマニズムや少数民族の伝統文化の流れと出会いました。その流れを探求してきて、2010年10月には霧島で開催されたグランドマザー会議(先住民族のシャーマンのおばあちゃん達が地球の危機を克服するために集まったもの)に参加しました。

 アートセラピーとシャーマニズムって、深いところで繋がっていると実感しています。両方とも現代社会では周辺的な位置づけにあって、そんなに重視されていないかもしれませんが、私はこれからの世界的な危機を人類が生き抜いていく核心的な知恵がそこにあると思います。

 とまあ堅い話はそのくらいにしまして、私の趣味ですが、おいしいものを食べたり本を読んだりすることが好きです。あとお笑いとかたまにビデオを見たりとか、そんな感じです。
 
 どうぞよろしくお願いいたします。

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